事案
甲は、令和6年7月1日午後10時頃、路上でVと口論になり、激高して、Vの頭部を金属製の棒で数回強打した。Vは頭蓋骨骨折および脳内出血の傷害を負い、その場に倒れて意識を失った。この傷害は、直ちに適切な治療を受ければ救命が可能であったが、放置すれば数時間以内に死亡する可能性が高いものであった。 甲は、Vが動かなくなったのを見て怖くなり、その場から逃走した。 その約30分後、たまたま通りかかった乙が、路上に倒れているVを発見した。乙は、Vの所持品を奪おうと考え、Vの上着のポケットを探ったが、その際、Vをうつ伏せの状態から仰向けに乱暴に転がした。この行為により、Vの頭部の傷が悪化した。 Vはその後、救急搬送されたが、搬送先の病院で死亡した。Vの死因は、甲の暴行による脳内出血であり、乙の行為はVの死期を幾分早めたにとどまるものであった。
設問
甲の罪責について論じなさい(乙の罪責については論じなくてよい)。
採点基準を見る(答案を書く前に見ると練習にならないので注意)
12点必須甲の行為について、殺人罪(199条)または傷害致死罪(205条)のいずれの成否を検討するかを、故意の内容の検討を通じて示している
8点実行行為性(甲の暴行が死の結果を惹起する現実的危険性を有する行為であること)を、事実に即して認定している
8点必須本問の中心的論点が、乙の介在行為により甲の行為と死の結果との因果関係が否定されるかである、と問題の所在を明示している
8点条件関係の存在を確認したうえで、それだけでは因果関係を肯定できない理由を述べている
14点必須因果関係の判断枠組み(危険の現実化説、または相当因果関係説)を定立し、その理由を述べている
22点必須本件事実の当てはめ:①甲の行為の危険性が高いこと、②乙の介在行為の異常性の程度、③乙の行為の結果への寄与が「死期を幾分早めた」にとどまること、④死因が甲の暴行による脳内出血であることを拾って評価している
8点必須因果関係についての結論を明示し、甲の罪責(成立する犯罪名)を確定している
関連条文:刑法199条、刑法203条、刑法204条、刑法205条、刑法38条1項
関連判例:最決平成2年11月20日(大阪南港事件)、最決平成15年7月16日(高速道路進入事件)
答案
採点はAIによるもので、参考情報です。