事案
Aは、自己が所有する甲土地を、令和6年3月1日、Bに対して代金3000万円で売却した。Bは同日代金を支払い、甲土地の引渡しを受けたが、多忙であったため所有権移転登記を経由しないまま放置していた。 Cは、Aの旧知の友人であり、AB間の売買の事実を令和6年4月頃に知っていた。Cは、Bが甲土地上に事業所を建設する計画を有していることも聞き及んでいた。 Cは、Bが登記を経由していないことに乗じ、Bに甲土地を高値で転売して利益を得ようと考え、令和6年5月10日、Aに対し、AB間の売買を知りながら「Bはまだ登記をしていないのだから、自分に売っても構わないはずだ」と持ちかけ、代金3200万円で甲土地を買い受け、同日、所有権移転登記を経由した。 その後Cは、Bに対し、「甲土地の所有者は自分である」と主張し、5000万円で買い取るよう求めた。Bはこれを拒み、Cに対して甲土地の所有権に基づき、所有権移転登記の抹消登記手続を求める訴えを提起した。
設問
Bの請求は認められるか。論じなさい。
採点基準を見る(答案を書く前に見ると練習にならないので注意)
8点必須AB間の売買により所有権がBに移転していること(民法176条)を前提として確認し、AC間の売買が二重譲渡の関係に立つことを指摘している
10点必須民法177条により、Bは登記なくして所有権取得をCに対抗できないのが原則であることを示している
10点必須177条の「第三者」の意義について、当事者およびその包括承継人以外の者で、登記の欠缺を主張する正当な利益を有する者をいう、という制限説の規範を示している
10点単なる悪意者は177条の第三者に当たる(自由競争の範囲内である)ことを、理由とともに示している
12点必須背信的悪意者排除論の規範(登記の欠缺を主張することが信義に反すると認められる者は第三者に当たらない)を、信義則(1条2項)に根拠づけて示している
18点必須本件の事実(AB間の売買を知っていたこと、Bの未登記に乗じたこと、高値での転売目的、Aへの働きかけ、5000万円での買取要求)を拾い、背信性の評価に用いている
8点Cが背信的悪意者に当たるとした場合、Cは177条の第三者に当たらず、BはCに対し登記なくして所有権を対抗できるという帰結を示している
8点必須Bの請求(所有権に基づく妨害排除請求としての抹消登記手続請求)の可否について結論を明示している
関連条文:民法176条、民法177条、民法1条2項、民法555条
関連判例:最判昭和43年8月2日、最判平成8年10月29日
答案
採点はAIによるもので、参考情報です。