行政書士/行政法

行政行為の択一問題と解説

難易度 4/5・出典の種別: 基本論点

問題

行政行為の効力に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 1.不可変更力とは、審査請求に対する裁決のように争訟裁断的性質を有する行政行為について、行政庁自らがこれを取り消し変更することができないという効力である。正解
  2. 2.行政行為の公定力は、当該行為が違法であることを理由とする国家賠償請求訴訟においても及ぶため、あらかじめ取消判決を得る必要がある。
  3. 3.行政行為に重大かつ明白な瑕疵がある場合であっても、取消訴訟によって取り消されるまでは有効なものとして扱われる。
  4. 4.行政行為には、法律の根拠がなくても当然に自力執行力が認められる。
  5. 5.行政行為の不可争力とは、行政庁が自らその行為を取り消すことができなくなる効力をいう。

解説

選択肢1が正解。不可変更力は、審査請求の裁決など争訟裁断的性質を有する行政行為について、これを行った行政庁自身が自由に取消し・変更できないという効力です。紛争解決の実効性を確保する趣旨で、すべての行政行為に認められるものではありません。

3が誤り:重大かつ明白な瑕疵がある行政行為は無効であり、公定力は生じません。取消しを待つまでもなく、誰でもその無効を主張できます。

2が誤り:判例は、違法な行政行為による損害の賠償を求める国家賠償請求訴訟においては、あらかじめ取消判決を得る必要はないとしています(最判昭和36年4月21日)。国家賠償は行為の効力を否定するものではなく、金銭賠償を求めるものだからです。

4が誤り:自力執行力は当然には認められず、行政代執行法などの法律の根拠が必要です。法律による行政の原理からの帰結です。

5が誤り:不可争力は、出訴期間の経過などにより私人の側から行政行為の効力を争えなくなる効力です。行政庁の側が取り消せなくなる効力は、選択肢1の不可変更力です。両者は「誰が争えなくなるか」で区別します。

根拠:行政代執行法2条、行政事件訴訟法3条2項、国家賠償法1条1項

判例:最判昭和36年4月21日

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