行政書士/行政法
行政法の一般原則の択一問題と解説
難易度 3/5
問題
行政法の一般原則に関する次の記述のうち、判例に照らし妥当なものはどれか。
- 1.租税法律主義が支配する租税法律関係においては、信義則の法理の適用が考えられる余地は一切ない。
- 2.比例原則は、警察行政の分野に限って妥当する原則である。
- 3.行政指導に従わなかったことを理由とする不利益な取扱いは、常に適法である。
- 4.平等原則は私人間にのみ適用される原則であり、行政作用を拘束することはない。
- 5.行政庁の裁量に委ねられた処分であっても、社会通念に照らし著しく妥当性を欠く場合には、裁量権の逸脱・濫用として違法となる。正解
解説
選択肢5が正解。裁量処分であっても、裁量権の範囲を超え、またはその濫用があった場合には違法となり、裁判所が取り消すことができます(行政事件訴訟法30条)。社会通念に照らし著しく妥当性を欠く場合がこれにあたります。
1が誤り:判例は、租税法律関係においても信義則の適用がまったく否定されるわけではないとしています。ただし租税法律主義の要請があるため、適用は納税者間の平等を犠牲にしてもなお保護すべき特別の事情がある場合に限られる、と極めて慎重な立場をとっています。「一切ない」と言い切る点が誤りです。
3が誤り:行政指導は相手方の任意の協力によってのみ実現されるものであり(行政手続法32条2項)、指導に従わなかったことを理由とする不利益な取扱いは禁止されています。
4が誤り:平等原則は憲法14条に由来し、行政作用も当然に拘束します。合理的理由なく特定の者を差別的に扱う処分は違法となります。
2が誤り:比例原則は警察行政で発展した原則ですが、行政作用一般に妥当します。目的達成のために必要な限度を超える規制は違法です。
根拠:行政事件訴訟法30条、行政手続法32条、憲法14条
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