行政書士/民法
代理の択一問題と解説
難易度 4/5・出典の種別: 判例
問題
無権代理と表見代理に関する次の記述のうち、民法の規定および判例によれば誤っているものはどれか。
- 1.無権代理行為は、本人が追認しなければ本人に対して効力を生じない。
- 2.無権代理人の相手方は、本人に対し、相当の期間を定めて追認するかどうかを催告することができ、期間内に確答がないときは追認を拒絶したものとみなされる。
- 3.無権代理人の相手方は、本人が追認しない間は、無権代理行為を取り消すことができるが、契約時に無権代理であることを知っていた場合は取り消せない。
- 4.本人が無権代理人を単独で相続した場合、本人は当然に無権代理行為の追認を拒絶することができなくなる。正解
- 5.代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示は、常に本人に対して効力を生じる。
解説
無権代理と相続は、どちらがどちらを相続したかで結論が変わる頻出テーマです。
選択肢4が誤り(これが正解)。判例は、本人が無権代理人を相続した場合には、本人が自ら法律行為をしたのと同様の地位にあるとはいえないから、追認を拒絶しても信義則に反しないとしています(最判昭和37年4月20日)。逆に無権代理人が本人を相続した場合は、追認を拒絶することは信義則上許されません(最判昭和40年6月18日)。
1は正しい:113条1項のとおりです。
2は正しい:114条のとおり。確答がないときは追認を拒絶したものとみなすという結論が、催告の効果として重要です。
3は正しい:115条のとおり。取消権は善意の相手方にのみ認められます。
5が誤り:顕名をしなかった意思表示は、代理人自身のためにしたものとみなされます(民法100条本文)。ただし、相手方が本人のためにすることを知り、または知ることができたときは、本人に対して効力を生じます(同条ただし書)。「常に」と言い切る点が誤りです。
根拠:民法113条、民法114条、民法115条、民法117条
判例:最判昭和37年4月20日、最判昭和40年6月18日
この論点を、確信度つきで繰り返し演習できます。
間違えた論点は記録され、次に解くべき問題として戻ってきます。
同じ分野の問題
民法のほかの論点
意思表示・法律行為・代理・時効・物権変動・対抗要件・担保物権・債務不履行・解除・債権譲渡・相殺・契約各論・不法行為・親族・相続
民法の演習へ