行政書士/民法
担保物権の択一問題と解説
難易度 4/5
問題
担保物権に関する次の記述のうち、民法の規定に照らし正しいものはどれか。
- 1.抵当権は、目的物の占有を債権者に移転することを要する担保物権である。
- 2.留置権には、優先弁済的効力が認められている。
- 3.先取特権は、当事者の契約によって設定される約定担保物権である。
- 4.質権は、目的物の占有を移転しなくても効力を生じる。
- 5.抵当権は、その担保する債権について不履行があったときは、その後に生じた抵当不動産の果実に及ぶ。正解
解説
選択肢5が正解。抵当権は、担保する債権について不履行があったときは、その後に生じた抵当不動産の果実に及びます(民法371条)。不履行前の果実には及びません。抵当権は設定者に使用収益を残す担保だからです。
1が誤り:抵当権は占有を移転しません(369条1項)。設定者が引き続き使用収益できる点が抵当権の最大の特徴で、だからこそ不動産金融の中心になっています。占有を移転するのは質権です。
2が誤り:留置権に優先弁済的効力はありません。物を留め置いて心理的に弁済を促す(留置的効力)にとどまります。ただし、留置権者は競売を申し立てることはでき、事実上優先弁済に近い結果になることがあります。
4が誤り:質権は目的物を債権者に引き渡すことによって効力を生じます(344条)。要物契約です。
3が誤り:先取特権は法律の規定によって当然に生じる法定担保物権です。契約で設定するものではありません。
| 担保物権 | 発生 | 占有移転 | 優先弁済 |
|---|---|---|---|
| 留置権 | 法定 | あり | なし |
| 先取特権 | 法定 | なし | あり |
| 質権 | 約定 | あり | あり |
| 抵当権 | 約定 | なし | あり |
根拠:民法344条、民法369条、民法371条
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