行政書士/憲法
経済的自由の択一問題と解説
難易度 5/5
問題
経済的自由に関する次の記述のうち、判例に照らし妥当なものはどれか。
- 1.職業の自由に対する規制のうち、国民の生命及び健康に対する危険を防止するための消極的・警察的規制については、立法府の広い裁量が認められ、著しく不合理であることが明白な場合に限り違憲となる。
- 2.薬事法の薬局距離制限規定は、合憲と判断された。
- 3.小売市場の距離制限規定は、社会経済政策上の積極的規制として合憲と判断された。正解
- 4.財産権の内容を事後の法律で変更することは、いかなる場合も許されない。
- 5.憲法29条3項にいう「正当な補償」について、判例は完全補償説を一貫して採用している。
解説
選択肢3が正解。小売市場距離制限事件で判例は、これを社会経済政策上の積極的規制と位置づけ、立法府の裁量を広く認める明白の原則によって合憲としました。
1が誤り:明白の原則が妥当するのは積極的規制のほうです。国民の生命・健康に対する危険を防止する消極的規制については、より厳格に、規制の必要性・合理性および同じ目的をより緩やかな手段で達成できないかが審査されます。積極と消極を入れ替えた肢が定番です。
| 規制の類型 | 審査 |
|---|---|
| 消極的・警察的規制 | 厳格な合理性の基準(薬事法判決) |
| 積極的・政策的規制 | 明白の原則(小売市場判決) |
2が誤り:薬事法距離制限事件では、違憲と判断されました。競争激化による不良医薬品の供給という立法事実に合理的根拠がなく、より緩やかな規制で目的を達成できるとされたためです。行政書士試験で最も有名な違憲判決の一つです。
4が誤り:判例は、財産権の内容を事後の法律で変更することも、その変更が公共の福祉に適合するものとして是認される場合には許されるとしています(国有農地売払特措法事件)。
5が誤り:判例は一貫していません。農地改革に関する事件では相当補償説をとる一方、土地収用法に関する事件では完全な補償を要するとしており、場面によって異なります。「一貫して完全補償説」とは言えません。
根拠:憲法22条、憲法29条
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