行政書士/民法
債務不履行・解除の択一問題と解説
難易度 4/5
問題
債務不履行による損害賠償および解除に関する次の記述のうち、民法の規定に照らし正しいものはどれか。
- 1.債務不履行による損害賠償の範囲は、特別の事情によって生じた損害には一切及ばない。
- 2.金銭債務の不履行については、債務者は不可抗力をもって抗弁とすることができる。
- 3.契約の解除をするには、常に相当の期間を定めた催告が必要である。
- 4.債務の履行が契約その他の債務の発生原因および取引上の社会通念に照らして不能であるときは、債権者はその債務の履行を請求することができない。正解
- 5.債権者に帰責事由がある場合であっても、債権者は契約を解除することができる。
解説
選択肢4が正解。履行不能の場合、債権者は履行を請求することができません(民法412条の2第1項)。不能かどうかは物理的な可否だけでなく、契約その他の債務の発生原因および取引上の社会通念に照らして判断されます。
1が誤り:損害賠償の範囲は通常損害が原則ですが、特別の事情によって生じた損害も、当事者がその事情を予見すべきであったときは請求できます(416条2項)。「一切及ばない」わけではありません。
2が誤り:金銭債務の不履行については、債務者は不可抗力をもって抗弁とすることができません(419条3項)。金銭はどこからでも調達できるという建前によります。あわせて、債権者は損害の証明をする必要もありません(同2項)。金銭債務は責任が重い、と押さえてください。
3が誤り:催告によらない解除が認められる場合があります(542条)。履行が全部不能であるとき、債務者が履行を明確に拒絶したとき、定期行為の時期を経過したときなどは、催告なしに直ちに解除できます。催告しても無意味だからです。
5が誤り:債権者に帰責事由がある場合は解除できません(543条)。なお改正民法では債務者の帰責事由は解除の要件ではなくなっており、「債務者の帰責事由は不要、債権者の帰責事由があると不可」という対比で整理します。
根拠:民法412条の2、民法416条、民法419条、民法542条、民法543条
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