司法試験・予備試験/民事訴訟法

既判力の短答問題と解説

難易度 2/5・出典の種別: 条文

問題

既判力の客観的範囲について、民事訴訟法114条1項の定めとして最も適切なものはどれか。

  1. ア.確定判決は、判決理由中の判断についても既判力を有する。
  2. イ.確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。正解
  3. ウ.確定判決の既判力は、事実認定のすべてに及ぶ。
  4. エ.確定判決の既判力は、当事者が主張したすべての攻撃防御方法に及ぶ。
  5. オ.既判力の範囲は裁判所が判決において個別に指定する。

解説

民事訴訟法114条1項は「確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する」と定める(イが正解)。

「主文に包含するもの」とは、訴訟物たる権利関係の存否についての判断を指す。判決理由中の判断(先決的法律関係、事実認定、抗弁の成否など)には原則として既判力は生じない(ア・ウ・エが誤り)。

理由中の判断に既判力を認めないのは、当事者に予期しない不利益を与えず、審理の弾力性を確保するためである。もっとも、この帰結として紛争の蒸し返しが生じ得るため、学説上は争点効を認める見解が主張されている(判例は正面から採用していない・最判昭和44年6月24日)。

例外として、114条2項は相殺の抗弁について「相殺をもって対抗した額について」既判力を生じるとする。これは既判力が理由中の判断に及ぶ唯一の明文の例外である。

根拠:民事訴訟法114条1項、民事訴訟法114条2項、民事訴訟法115条

判例:最判昭和44年6月24日

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