司法試験・予備試験/民事訴訟法
証明責任の短答問題と解説
難易度 5/5
問題
証明責任および事実認定に関する次の記述のうち、民事訴訟法の規定および判例に照らし正しいものはどれか。
- 1.顕著な事実についても、証明を要する。
- 2.裁判上の自白が成立した事実については、裁判所はこれに反する事実を認定することができない。正解
- 3.証明責任は、当事者の申立てによって裁判所が個別に分配する。
- 4.裁判上の自白が成立しても、当事者はいつでも自由にこれを撤回することができる。
- 5.弁論主義のもとでは、裁判所は当事者が主張していない主要事実であっても、証拠から認定できる限り判決の基礎とすることができる。
解説
選択肢2が正解。裁判上の自白が成立した事実は証明することを要せず(民事訴訟法179条)、裁判所を拘束します(審判排除効)。これに反する認定はできません。
1が誤り:顕著な事実は証明を要しません(179条)。公知の事実と、裁判所が職務上知り得た事実がこれにあたります。
3が誤り:証明責任の分配は、法規の構造に基づいてあらかじめ客観的に定まっていると解されています(法律要件分類説)。権利根拠規定の要件事実は権利を主張する者が、権利障害・消滅・阻止規定の要件事実は相手方が負う、という分配です。裁判所が事件ごとに分配するものではありません。
4が誤り:自白の撤回は原則として許されません。判例上、撤回が認められるのは、相手方の同意があるとき、刑事上罰すべき他人の行為により自白したとき、自白が真実に反しかつ錯誤に基づくときに限られます。「いつでも自由に」は誤りです。
5が誤り:弁論主義の第1テーゼにより、当事者が主張しない主要事実を 判決の基礎とすることはできません。証拠から認定できるとしても同じです。なお間接事実・補助事実についてはこの制約は及びません。
根拠:民事訴訟法179条、民事訴訟法247条
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