司法試験・予備試験/商法

組織再編の短答問題と解説

難易度 5/5

問題

組織再編に関する次の記述のうち、会社法の規定に照らし正しいものはどれか。

  1. 1.会社分割においては、債権者保護手続は不要である。
  2. 2.吸収合併において、消滅会社の権利義務は存続会社に包括的に承継される。正解
  3. 3.組織再編に反対する株主には、株式買取請求権は認められない。
  4. 4.略式組織再編は、特別支配会社が他方の議決権の3分の2以上を有する場合に認められる。
  5. 5.事業譲渡においては、譲渡会社の債務は当然に譲受会社に移転する。

解説

選択肢2が正解。吸収合併により、消滅会社の権利義務は存続会社に包括的に承継されます(会社法750条1項)。個々の債権譲渡や債務引受けの手続を要しません。

1が誤り:会社分割でも、一定の債権者について債権者保護手続(債権者異議手続)が必要です(789条・810条)。分割によって責任財産が変動し、債権者が害されるおそれがあるためです。

3が誤り:組織再編に反対する株主には、株式買取請求権が認められます(785条など)。多数決で決まる組織再編から、反対株主に投下資本を回収する道を残す制度です。

4が誤り:略式組織再編が認められるのは、特別支配会社が他方の総株主の議決権の10分の9以上を有する場合です(784条1項など)。3分の2ではありません。承認決議をしても結論が明らかなので、株主総会を省略できるという趣旨です。

5が誤り:事業譲渡は特定承継であり、個々の財産を移転する取引です。債務を移転するには債権者の承諾(債務引受け)が必要であり、当然には移転しません。包括承継である合併との違いが問われます。

承継債務の移転
合併・会社分割包括承継当然に移転
事業譲渡特定承継承諾が必要

根拠:会社法750条、会社法784条、会社法785条、会社法789条

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