司法試験・予備試験/行政法
処分性の短答問題と解説
難易度 2/5・出典の種別: 基本判例
問題
抗告訴訟の対象となる「処分」の意義について、判例(最判昭和39年10月29日・大田区ごみ焼却場設置事件)が示した定式として最も適切なものはどれか。
- ア.行政庁が法令に基づいて行う一切の行為をいう。
- イ.行政庁と国民との間の契約に基づく行為を中心とする概念である。
- ウ.国民に事実上の不利益を生じさせる行政庁の行為をすべて含む。
- エ.公権力の主体たる国または公共団体が行う行為のうち、その行為によって、直接国民の権利義務を形成しまたはその範囲を確定することが法律上認められているものをいう。正解
- オ.行政指導であっても、相手方が事実上従わざるを得ない場合には当然に処分に当たる。
解説
行政事件訴訟法3条2項の「処分」の意義について、判例は「公権力の主体たる国又は公共団体が行う行為のうち、その行為によつて、直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定することが法律上認められているものをいう」と定式化した。
この定式から、処分性の判断要素は概ね①公権力性(一方的・優越的地位に基づく行為か)と②法的効果の直接性(直接国民の権利義務を形成・確定するか)に整理される。
事実上の不利益にとどまる行為は原則として処分性を欠く(ウが誤り)。行政指導は非権力的行為であり原則として処分性を欠くが、後続手続との関係で例外的に肯定された例がある(病院開設中止勧告・最判平成17年7月15日)ため、「当然に」とするオは誤り。
根拠:行政事件訴訟法3条2項
判例:最判昭和39年10月29日(大田区ごみ焼却場設置事件)、最判平成17年7月15日(病院開設中止勧告事件)
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