司法試験・予備試験/行政法
国家賠償法の短答問題と解説
難易度 5/5
問題
国家賠償法に関する次の記述のうち、判例に照らし妥当なものはどれか。
- 1.国家賠償法1条の責任が認められるためには、加害公務員個人が特定されていなければならない。
- 2.国家賠償法2条の営造物の設置・管理の瑕疵による責任は、管理者の過失を要件とする。
- 3.公務員が職務を行うについて故意または重大な過失があったときは、国または公共団体は当該公務員に対して求償権を有する。正解
- 4.国家賠償法1条により国が責任を負う場合、被害者は加害公務員個人に対しても損害賠償を請求することができる。
- 5.立法行為が国家賠償法1条の適用上違法と評価されることはない。
解説
選択肢3が正解。公務員に故意または重大な過失があったときは、国または公共団体は当該公務員に求償権を有します(国家賠償法1条2項)。軽過失では求償できません。公務員が萎縮せずに職務を遂行できるようにする趣旨です。
1が誤り:判例は、一連の行為のうちいずれかに違法行為があったことが特定できれば、加害公務員の特定を欠いても国等が責任を負う場合があるとしています。
2が誤り:2条の責任は無過失責任と解されています。営造物が通常有すべき安全性を欠いていれば、管理者の過失の有無を問わず責任が生じます。1条が過失責任であるのと対照的です。
| 要件 | |
|---|---|
| 1条(公権力の行使) | 故意・過失が必要 |
| 2条(営造物の設置管理) | 無過失責任 |
4が誤り:判例は、公務員個人は被害者に対して直接責任を負わないとしています。責任の主体は国または公共団体です。
5が誤り:判例は、立法行為が1条の適用上違法となるのは容易に想定しがたい例外的な場合に限られるとしつつ、在外邦人選挙権訴訟では、立法不作為について国家賠償責任を認めました。「評価されることはない」とは言えません。
根拠:国家賠償法1条、国家賠償法2条
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