司法試験・予備試験/行政法

原告適格の短答問題と解説

難易度 3/5・出典の種別: 条文+基本判例

問題

取消訴訟の原告適格に関する行政事件訴訟法9条2項について、最も適切な記述はどれか。

  1. ア.9条2項は、処分の名宛人以外の第三者の原告適格を一律に否定する趣旨の規定である。
  2. イ.9条2項は、「法律上の利益」の有無を判断するにあたり、当該処分の根拠法令の文言のみによることを求めている。
  3. ウ.9条2項は、根拠法令の趣旨・目的、および当該処分において考慮されるべき利益の内容・性質を考慮し、根拠法令と目的を共通にする関係法令の趣旨・目的をも参酌すべきことを定めている。正解
  4. エ.9条2項は、原告適格を有する者の範囲を、処分の直接の相手方に限定する規定である。
  5. オ.9条2項は、原告適格の判断を裁判所の自由裁量に委ねる規定である。

解説

行政事件訴訟法9条2項は、平成16年改正で新設された規定で、第三者の原告適格を判断する際の考慮事項を明文化したものである。

同項は、①当該処分の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく、②当該法令の趣旨及び目的並びに③当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮すること、そしてその際に④当該法令と目的を共通にする関係法令があるときはその趣旨及び目的をも参酌し、⑤当該利益の内容・性質を考慮するにあたっては、当該処分が違法にされた場合に害されることとなる利益の内容・性質及びこれが害される態様・程度をも勘案すべきことを定める。

これは第三者の原告適格を拡大する方向で機能する規定であり(ア・エが誤り)、文言のみによる判断を明文で否定している(イが誤り)。小田急高架訴訟大法廷判決(最大判平成17年12月7日)がこの枠組みを用いた代表例である。

根拠:行政事件訴訟法9条1項、行政事件訴訟法9条2項

判例:最大判平成17年12月7日(小田急高架訴訟)

この論点を、確信度つきで繰り返し演習できます。
間違えた論点は記録され、次に解くべき問題として戻ってきます。

行政法の演習を始める(無料)

同じ分野の問題

行政法のほかの論点

行政行為の効力・瑕疵・行政裁量・行政手続法・処分性・原告適格・訴えの利益・国家賠償法

行政法の演習へ