司法試験・予備試験/憲法
思想・良心の自由の短答問題と解説
難易度 5/5
問題
思想・良心の自由に関する次の記述のうち、判例に照らし妥当なものはどれか。
- 1.謝罪広告を新聞紙に掲載すべきことを命ずる判決は、単に事態の真相を告白し陳謝の意を表明するにとどまる程度のものであっても、良心の自由を侵害し違憲である。
- 2.企業が労働者の採用にあたりその思想信条を調査することは、常に違法である。
- 3.公立高校の校長が教諭に対し、卒業式において国歌斉唱の際に起立斉唱を命じた職務命令は、思想・良心の自由を直ちに制約するものではないが、間接的な制約となる面がある。正解
- 4.思想・良心の自由は内心にとどまる限り絶対的に保障されるが、公共の福祉による制約に服する。
- 5.沈黙の自由は、憲法19条の保障するところではない。
解説
選択肢3が正解。国歌斉唱起立命令に関する判例は、起立斉唱行為は一般的には儀礼的な所作であり、特定の思想の表明として外部から認識されるものとは評価しがたいから思想・良心の自由を直ちに制約するものではないとしつつ、歴史観・世界観に由来する行動と異なる外部的行為を求められる点で間接的な制約となる面があると述べました。そのうえで、必要性・合理性が認められるとして合憲としています。
1が誤り:謝罪広告事件で判例は、単に事態の真相を告白し陳謝の意を表明するにとどまる程度の謝罪広告を命じる判決は、代替執行によって強制しても良心の自由を侵害しないとして合憲としました。
2が誤り:三菱樹脂事件で判例は、企業には契約締結の自由があり、いかなる者を雇用するかについて原則として自由に決定できるから、労働者の思想信条を調査し、これに関連する事項の申告を求めることも違法ではないとしました。
4が誤り:思想・良心の自由は内心にとどまる限り絶対的に保障され、公共の福祉によっても制約されないと解されています。両立しない記述を並べた肢です。
5が誤り:沈黙の自由(内心を告白するよう強制されない自由)は19条の保障に含まれると解されています。
根拠:憲法19条
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