司法試験・予備試験/憲法
経済的自由の短答問題と解説
難易度 5/5
問題
経済的自由に関する次の記述のうち、判例に照らし妥当なものはどれか。
- 1.森林法の共有林分割制限規定は、合憲と判断された。
- 2.薬事法の薬局距離制限規定は、違憲と判断された。正解
- 3.公衆浴場法の距離制限規定は、いずれの判例においても違憲と判断されている。
- 4.居住・移転の自由は経済的自由に属するから、精神的自由としての側面を有することはない。
- 5.憲法22条2項の外国に移住する自由には、外国へ一時旅行する自由は含まれない。
解説
選択肢2が正解。薬事法距離制限事件で判例は、規制目的を不良医薬品の供給防止という消極的・警察的目的と捉え、より緩やかな規制で目的を達成できるとして違憲としました。職業の自由に関する数少ない違憲判決です。
1が誤り:森林法共有林分割制限事件の結論も違憲です。共有林の分割請求を制限する規定は、森林の細分化防止という立法目的との関係で合理性・必要性を欠くとされました。財産権に関する代表的な違憲判決です。
3が誤り:公衆浴場の距離制限については、判例の理由づけが変遷しています。初期は国民保健・環境衛生という消極目的から合憲とし、後の判例では既存業者の経営安定という積極目的を認めて合憲としました。理由づけは変わりましたが、結論はいずれも合憲です。「いずれも違憲」は誤りです。
4が誤り:居住・移転の自由は22条1項に置かれ経済的自由に分類されますが、人の移動によって知識や情報に接する機会を得るという精神的自由の側面、および人身の自由の側面も併せ持つと理解されています。
5が誤り:判例は、憲法22条2項の「外国に移住する自由」には、外国へ一時旅行する自由も含まれるとしています(帆足計事件)。
根拠:憲法22条、憲法29条
この論点を、確信度つきで繰り返し演習できます。
間違えた論点は記録され、次に解くべき問題として戻ってきます。
同じ分野の問題
- 表現の自由憲法21条2項前段が禁止する「検閲」に関する次の記述のうち、判例(最大判昭和59年12月12日・税関検査事件)の立場として最も適切なものはどれか。
- 人権総論・私人間効力憲法の人権規定の私人間における効力について、判例(最大判昭和48年12月12日・三菱樹脂事件)の立場として最も適切なものはどれか。
- 法の下の平等尊属殺重罰規定違憲判決(最大判昭和48年4月4日)の理由づけとして最も適切なものはどれか。
- 幸福追求権・プライバシー憲法13条に関する次の記述のうち、判例に照らし妥当なものはどれか。
- 思想・良心の自由思想・良心の自由に関する次の記述のうち、判例に照らし妥当なものはどれか。
- 信教の自由・政教分離信教の自由および政教分離に関する次の記述のうち、判例に照らし妥当なものはどれか。
憲法のほかの論点
人権総論・私人間効力・幸福追求権・プライバシー・法の下の平等・思想・良心の自由・信教の自由・政教分離・表現の自由・経済的自由・生存権・社会権・統治機構・国会内閣・違憲審査・司法権
憲法の演習へ