司法試験・予備試験/憲法
信教の自由・政教分離の短答問題と解説
難易度 5/5
問題
信教の自由および政教分離に関する次の記述のうち、判例に照らし妥当なものはどれか。
- 1.宗教法人に対する解散命令は、信者の信教の自由を直接制約するものであるから、常に違憲である。
- 2.津地鎮祭事件において、市が体育館の起工式を神式で行い公金を支出したことは違憲と判断された。
- 3.愛媛玉串料事件において、県が靖国神社に玉串料を支出したことは合憲と判断された。
- 4.信教の自由には、宗教的行為の自由は含まれない。
- 5.政教分離原則は、国家と宗教との完全な分離を理想とするが、現実には限界があり、国家と宗教とのかかわり合いが相当とされる限度を超えるかどうかで判断される。正解
解説
選択肢5が正解。津地鎮祭事件で判例は、政教分離規定は制度的保障であり、国家と宗教の完全な分離は実際上不可能に近いとしたうえで、かかわり合いがわが国の社会的・文化的諸条件に照らし相当とされる限度を超えるものかどうかで判断するとしました。その判断枠組みが目的効果基準です。
2が誤り:津地鎮祭事件の結論は合憲です。起工式は宗教的意義が希薄化した世俗的行事であり、その効果も神道を援助・助長するものとは認められないとされました。
3が誤り:愛媛玉串料事件の結論は違憲です。玉串料等の奉納は起工式とは異なり、その宗教的意義を否定できず、特定の宗教団体との間にのみ意識的に特別のかかわり合いを持つものと評価されました。
津地鎮祭は合憲、愛媛玉串料は違憲——この対比が短答で最も問われる組合せです。
4が誤り:信教の自由には、内心における信仰の自由、宗教的行為の自由、宗教的結社の自由が含まれると解されています。
1が誤り:オウム真理教解散命令事件で判例は、解散命令は専ら世俗的目的によるものであり宗教上の行為を禁止・制限する法的効果を有しない、信者の宗教上の行為に支障が生じても間接的で事実上のものにとどまるとして、合憲としました。
根拠:憲法20条、憲法89条
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