司法試験・予備試験/憲法
生存権・社会権の短答問題と解説
難易度 5/5
問題
社会権に関する次の記述のうち、判例に照らし妥当なものはどれか。
- 1.堀木訴訟において、判例は障害福祉年金と児童扶養手当の併給禁止規定を違憲と判断した。
- 2.憲法25条1項と2項を区別し、1項を救貧、2項を防貧の規定と解する見解があるが、判例はこれを明示的に採用している。
- 3.憲法25条の趣旨に応えて具体的にどのような立法措置を講ずるかの選択決定は、立法府の広い裁量に委ねられ、著しく合理性を欠き明らかに裁量の逸脱・濫用と見ざるをえない場合を除き、裁判所が審査判断するのに適しない。正解
- 4.教科書検定制度は、検閲にあたり違憲であると判断された。
- 5.公務員の争議行為を一律に禁止することは、憲法28条に違反すると判断されている。
解説
選択肢3が正解。堀木訴訟の判示です。25条の趣旨に応えてどのような立法措置を講ずるかは、国の財政事情を無視できず、多方面にわたる複雑多様な高度の専門技術的考察とそれに基づいた政策的判断を必要とするから、立法府の広い裁量に委ねられるとしました。
1が誤り:堀木訴訟の結論は合憲です。併給禁止規定は立法裁量の範囲内とされました。
2が誤り:1項2項区分論は学説上の見解であり、判例が明示的に採用したものではありません。判例は1項と2項を一体として捉える傾向にあります。
4が誤り:家永教科書訴訟で判例は、教科書検定は一般図書としての発行を何ら妨げるものではないから、発表禁止目的や発表前の審査などの特質がなく検閲にあたらないとしました。
5が誤り:全農林警職法事件で判例は、公務員の地位の特殊性と職務の公共性、勤務条件法定主義、代償措置の存在などを理由に、争議行為の一律禁止を合憲としました。それ以前の全逓東京中郵事件などが限定解釈をとっていたのを変更した判例です。「違憲と判断されている」は逆です。
根拠:憲法25条、憲法26条、憲法28条
この論点を、確信度つきで繰り返し演習できます。
間違えた論点は記録され、次に解くべき問題として戻ってきます。
同じ分野の問題
- 表現の自由憲法21条2項前段が禁止する「検閲」に関する次の記述のうち、判例(最大判昭和59年12月12日・税関検査事件)の立場として最も適切なものはどれか。
- 人権総論・私人間効力憲法の人権規定の私人間における効力について、判例(最大判昭和48年12月12日・三菱樹脂事件)の立場として最も適切なものはどれか。
- 法の下の平等尊属殺重罰規定違憲判決(最大判昭和48年4月4日)の理由づけとして最も適切なものはどれか。
- 幸福追求権・プライバシー憲法13条に関する次の記述のうち、判例に照らし妥当なものはどれか。
- 思想・良心の自由思想・良心の自由に関する次の記述のうち、判例に照らし妥当なものはどれか。
- 信教の自由・政教分離信教の自由および政教分離に関する次の記述のうち、判例に照らし妥当なものはどれか。
憲法のほかの論点
人権総論・私人間効力・幸福追求権・プライバシー・法の下の平等・思想・良心の自由・信教の自由・政教分離・表現の自由・経済的自由・生存権・社会権・統治機構・国会内閣・違憲審査・司法権
憲法の演習へ