司法試験・予備試験/憲法

違憲審査・司法権の短答問題と解説

難易度 5/5

問題

司法権および違憲審査に関する次の記述のうち、判例に照らし妥当なものはどれか。

  1. 1.日本の違憲審査制は抽象的違憲審査制であり、具体的事件を離れて法令の合憲性を判断することができる。
  2. 2.地方議会議員に対する出席停止の懲罰は、議会の内部規律の問題にとどまるから、司法審査の対象とならない。
  3. 3.統治行為とされる高度の政治性を有する国家行為については、裁判所の審査権が及ばない場合がある。正解
  4. 4.政党内部の自律的な決定については、その手続の適否を含め、常に司法審査が及ぶ。
  5. 5.最高裁判所が下した違憲判決は、当然に当該法律を廃止する効力を有する。

解説

選択肢3が正解。砂川事件・苫米地事件において、判例は直接国家統治の基本に関する高度に政治性のある国家行為については、裁判所の審査権が及ばない場合があることを認めました(統治行為論)。

1が誤り:警察予備隊違憲訴訟で判例は、日本の裁判所は具体的な争訟事件が提起されないのに将来を予想して法令の合憲性を判断する権限を有しないとしました。付随的違憲審査制です。

2が誤り:判例は変更されています。かつては除名は司法審査の対象だが出席停止は内部規律の問題として対象外とされていましたが、令和2年の判例は、出席停止の懲罰も議員としての中核的な活動を制約するものであり、その適否は司法審査の対象となるとしました。

4が誤り:共産党袴田事件で判例は、政党の自律的運営を尊重すべきであるとし、除名処分の当否については、一般市民法秩序と直接の関係を有しない内部的問題にとどまる限り司法審査は及ばず、及ぶ場合でも手続が適正であったかどうかの審査にとどまるとしました。「常に及ぶ」わけではありません。

5が誤り:付随的違憲審査制のもとでは、違憲判決の効力は当該事件限りで及ぶと解するのが有力です(個別的効力説)。判決自体が法律を廃止する効力を持つわけではなく、廃止は国会の役割です。

根拠:憲法76条、憲法81条

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