司法試験・予備試験/刑法
因果関係の短答問題と解説
難易度 3/5・出典の種別: 基本判例
問題
刑法上の因果関係について、近時の判例が採用しているとされる考え方として最も適切なものはどれか。
- ア.条件関係さえ認められれば、およそ因果関係を肯定してよい。
- イ.介在事情が存在する場合には、常に因果関係が否定される。
- ウ.行為時に一般人が認識し得た事情のみを基礎に、相当性を判断すれば足りる。
- エ.行為の危険が結果へと現実化したといえるかどうかによって因果関係を判断する。正解
- オ.被害者の特異体質が結果に寄与した場合には、常に因果関係が否定される。
解説
従来は相当因果関係説(客観説・主観説・折衷説)による説明が有力であったが、近時の判例(最決平成2年11月20日・大阪南港事件、最決平成15年7月16日・高速道路進入事件など)は、実行行為の危険性が結果に現実化したかという観点から因果関係を判断していると理解されている(危険の現実化説)。
この枠組みでは、介在事情がある場合、①行為の危険性の大小、②介在事情の異常性の程度、③介在事情の結果への寄与度を総合して判断する。介在事情があれば常に因果関係が否定されるわけではない(イが誤り)。
条件関係は因果関係の前提にすぎず、それだけで足りるわけではない(アが誤り)。また、被害者の特異体質が介在した事案でも判例は因果関係を肯定している(最判昭和46年6月17日・布団むし事件など)ため、オも誤り。
根拠:刑法38条1項、刑法199条
判例:最決平成2年11月20日(大阪南港事件)、最決平成15年7月16日(高速道路進入事件)
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