司法試験・予備試験/刑法

罪数の短答問題と解説

難易度 5/5

問題

罪数に関する次の記述のうち、刑法の規定に照らし正しいものはどれか。

  1. 1.一個の行為が二個以上の罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断する。正解
  2. 2.併合罪のうち二個以上の有期の懲役に処すべきときは、その最も重い罪について定めた刑の長期にその2倍を加えたものを長期とする。
  3. 3.牽連犯は、併合罪として処断される。
  4. 4.確定裁判を経た罪とその裁判が確定する前に犯した罪とは、常に併合罪とならない。
  5. 5.観念的競合と牽連犯とでは、処断のしかたが異なる。

解説

選択肢1が正解。刑法54条1項前段の観念的競合です。一個の行為が二個以上の罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断されます(科刑上一罪)。

2が誤り:併合罪加重では、最も重い罪について定めた刑の長期にその2分の1を加えたものを長期とします(47条本文)。2倍ではありません。また各罪について定めた刑の長期の合計を超えることはできません(同ただし書)。

3が誤り:牽連犯は科刑上一罪であり、観念的競合と同じく54条1項(後段)に規定されています。犯罪の手段または結果である行為が他の罪名に触れる場合です(住居侵入と窃盗など)。併合罪ではありません。

5が誤り:観念的競合も牽連犯も、いずれも54条1項により最も重い刑によって処断されます。処断のしかたは同じです。前段か後段かという成立要件の違いだけです。

内容処断
観念的競合(前段)一個の行為が数罪に触れる最も重い刑
牽連犯(後段)手段・結果の関係最も重い刑(同じ)
併合罪確定裁判を経ていない数罪加重(長期の1.5倍)

4が誤り:確定裁判を経た罪と、その裁判が確定する前に犯した罪とは併合罪となります(45条後段)。同時に審判する機会があった以上、まとめて処断すべきだという趣旨です。「常に併合罪とならない」は逆です。

根拠:刑法45条、刑法47条、刑法54条

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