司法試験・予備試験/刑法
生命身体に対する罪の短答問題と解説
難易度 4/5
問題
生命・身体に対する罪に関する次の記述のうち、刑法の規定および判例に照らし正しいものはどれか。
- 1.身体に対する暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、暴行罪が成立する。正解
- 2.傷害罪の成立には、傷害の結果についての故意が必要である。
- 3.自殺関与罪は、自殺した者が処罰されないから、関与者も処罰されない。
- 4.同時傷害の特例は、共同して実行した場合にのみ適用される。
- 5.殺人予備罪は規定されていない。
解説
選択肢1が正解。暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは暴行罪が成立します(刑法208条)。傷害の結果が生じれば傷害罪となります。
2が誤り:判例・通説は、傷害罪を暴行罪の結果的加重犯と捉え、暴行の故意があれば足り、傷害の結果についての故意は不要とします。もちろん傷害の故意で傷害結果を生じさせた場合も傷害罪です。
3が誤り:自殺そのものは処罰されませんが、自殺教唆・幇助は自殺関与罪として処罰されます(202条)。他人の生命に関与する行為として独立に可罰性が認められた規定です。同条は同意殺人も定めています。
4が誤り:同時傷害の特例(207条)は、意思の連絡なく二人以上が暴行を加えた場合に適用されます。共同実行の場合は共同正犯(60条)で処理されるので、特例を用いる必要がありません。誰の暴行から結果が生じたか不明なときに、共犯の例により処断するという立証の困難を救う規定です。
5が誤り:殺人予備罪が規定されています(201条)。殺人は法益侵害が重大であるため、予備の段階から処罰されます。ただし情状により刑を免除することができます。
根拠:刑法201条、刑法202条、刑法204条、刑法207条、刑法208条
この論点を、確信度つきで繰り返し演習できます。
間違えた論点は記録され、次に解くべき問題として戻ってきます。
同じ分野の問題
刑法のほかの論点
因果関係・故意・錯誤・正当防衛・緊急避難・責任能力・未遂・中止犯・共犯・罪数・財産犯・生命身体に対する罪
刑法の演習へ