司法試験・予備試験/刑事訴訟法
伝聞法則の短答問題と解説
難易度 3/5・出典の種別: 条文
問題
伝聞法則(刑事訴訟法320条1項)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- ア.書面はすべて証拠とすることができない。
- イ.公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、または公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることは、原則としてできない。正解
- ウ.伝聞法則は、供述証拠であっても要証事実との関係を問わず一律に適用される。
- エ.被告人が同意した書面であっても、伝聞証拠である以上、証拠能力は認められない。
- オ.伝聞法則には例外がなく、321条以下の規定は伝聞法則とは無関係である。
解説
刑事訴訟法320条1項は「第321条乃至第328条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない」と定める(イが正解)。
趣旨は、反対尋問を経ていない供述証拠は、知覚・記憶・叙述の各過程における誤りを吟味できず、誤判のおそれがある点にある。
したがって、伝聞か否かは要証事実との関係で相対的に決まる。供述内容の真実性を立証するために用いる場合が伝聞であり、供述の存在自体(発言があったこと)を立証する場合は非伝聞となる。一律適用とするウは誤り。
また、書面であっても非供述証拠(現場写真等)であれば伝聞法則の適用外であり、アは誤り。321条以下は伝聞例外の規定であり(オが誤り)、326条により当事者が同意した書面・供述は相当と認めるときに証拠とすることができる(エが誤り)。
根拠:刑事訴訟法320条1項、刑事訴訟法321条、刑事訴訟法326条、憲法37条2項
判例:最判昭和38年10月17日
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