司法試験・予備試験/刑事訴訟法
取調べ・自白法則の短答問題と解説
難易度 4/5
問題
自白に関する次の記述のうち、憲法・刑事訴訟法の規定に照らし正しいものはどれか。
- 1.何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされない。正解
- 2.任意性に疑いのある自白であっても、内容が真実であれば証拠とすることができる。
- 3.公判廷における自白のみによっても、有罪とすることができる。
- 4.被疑者には黙秘権が保障されていないから、取調べに際して供述を拒むことはできない。
- 5.自白の補強証拠は、自白と同一の供述者による他の供述であってもよい。
解説
選択肢1が正解。憲法38条3項および刑事訴訟法319条2項の補強法則です。自白のみで有罪とすることはできず、これを補強する他の証拠が必要です。自白偏重による誤判を防ぐ趣旨です。
2が誤り:強制、拷問または脅迫による自白、不当に長く抑留・拘禁された後の自白その他任意にされたものでない疑いのある自白は、証拠とすることができません(憲法38条2項、刑訴法319条1項)。真実であるかどうかを問わず排除されます。任意性を欠く自白は虚偽のおそれが高く、また供述の自由の侵害そのものを抑止する必要があるためです。
3が誤り:憲法38条3項は「本人の自白」に公判廷の自白を含むかが問題となりましたが、刑事訴訟法319条2項は「公判廷における自白であると否とを問わず」と明記し、公判廷の自白にも補強証拠を要求しています。判例は憲法上は不要としましたが、法律で厚く保障した形です。
4が誤り:被疑者にも黙秘権が保障されています。取調べに際しては、あらかじめ自己の意思に反して供述をする必要がない旨を告げなければなりません(198条2項)。
5が誤り:補強証拠は自白から独立した証拠でなければなりません。同一人の別の供述では、自白偏重を防ぐという補強法則の趣旨を達成できないからです。
根拠:憲法38条、刑事訴訟法198条、刑事訴訟法319条
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