司法試験・予備試験/刑事訴訟法
違法収集証拠排除法則の短答問題と解説
難易度 5/5
問題
違法収集証拠排除法則に関する次の記述のうち、判例に照らし妥当なものはどれか。
- 1.証拠物の押収手続に令状主義の精神を没却するような重大な違法があり、これを証拠として許容することが将来における違法な捜査の抑制の見地から相当でないと認められる場合には、その証拠能力は否定される。正解
- 2.違法な手続によって収集された証拠物は、違法の程度を問わず常に証拠能力が否定される。
- 3.証拠物は、その形状に変化がない限り、収集手続に違法があっても常に証拠能力が認められる。
- 4.違法収集証拠排除法則は、刑事訴訟法に明文の規定が置かれている。
- 5.違法に収集された証拠から派生して得られた証拠については、その証拠能力が問題となることはない。
解説
選択肢1が正解。判例が示した排除の基準です。令状主義の精神を没却するような重大な違法があり、かつ将来の違法捜査の抑制の見地から相当でないと認められる場合に証拠能力が否定されます。違法の重大性と排除相当性という2つの要件を立てた枠組みです。
2が誤り:判例は違法の程度を問題としています。軽微な違法では排除されません。すべての違法を排除すると真実発見が過度に犠牲になるため、司法の廉潔性と違法捜査抑止の要請とのバランスをとっています。
3が誤り:かつては、証拠物は違法な手続で得ても形状が変わらず証拠価値に影響しないという理由で証拠能力を認める考え方がありました。しかし判例は上記の基準を示し、重大な違法があれば証拠物であっても排除されるとしています。「常に認められる」は誤りです。
4が誤り:違法収集証拠排除法則に明文の規定はありません。判例によって確立された法理です。自白について319条1項という明文があるのと対照的で、この違いが問われます。
5が誤り:違法収集証拠から派生して得られた証拠(毒樹の果実)についても証拠能力が問題となります。判例も、先行手続の違法と当該証拠との関連性の程度を考慮して判断する枠組みを示しています。
根拠:刑事訴訟法319条、憲法35条
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