司法試験・予備試験/刑事訴訟法

捜索差押えの短答問題と解説

難易度 5/5

問題

捜索・差押えに関する次の記述のうち、刑事訴訟法の規定および判例に照らし正しいものはどれか。

  1. 1.逮捕する場合において必要があるときは、逮捕の現場で令状によらずに捜索・差押えをすることができる。正解
  2. 2.差押許可状には、差し押さえるべき物を概括的に記載すれば足りる。
  3. 3.捜索差押許可状の執行にあたり、必要な処分をすることは一切認められない。
  4. 4.捜索差押許可状は、処分を受ける者に対しこれを呈示する必要はない。
  5. 5.住居主の承諾があっても、夜間に捜索差押許可状を執行することはできない。

解説

選択肢1が正解。逮捕する場合において必要があるときは、逮捕の現場で令状によらず捜索・差押えができます(刑事訴訟法220条1項2号)。憲法35条も「第33条の場合を除いては」として、逮捕に伴う場合を令状主義の例外としています。

2が誤り:令状には差し押さえるべき物を特定して記載しなければなりません(219条1項)。憲法35条が「捜索する場所及び押収する物を明示する令状」を要求しており、一般的・探索的な捜索を防ぐためです。概括的記載では足りません。

3が誤り:押収物の捜索差押許可状の執行については、錠をはずし、封を開き、その他必要な処分をすることができます(222条1項・111条1項)。証拠隠滅を防ぐため、実効性を確保する規定です。

4が誤り:令状は処分を受ける者に呈示しなければなりません(222条1項・110条)。何を根拠にどの範囲で処分が行われるのかを相手方に知らせ、不服申立ての手がかりを与える趣旨です。なお判例は、証拠隠滅のおそれがある場合に、入室後すみやかに呈示する扱いを適法としたものがあります。

5が誤り:日出前・日没後の執行には原則として令状に夜間執行を許す旨の記載が必要ですが(116条)、日没前に開始した執行は日没後も継続できます(117条)。また旅館・飲食店等で公開時間内であれば夜間でも執行できます(117条・116条2項)。「承諾があってもできない」とする点が誤りです。

根拠:刑事訴訟法110条、刑事訴訟法111条、刑事訴訟法116条、刑事訴訟法219条、刑事訴訟法220条、刑事訴訟法222条

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