司法試験・予備試験/民法
不法行為の短答問題と解説
難易度 1/5・出典の種別: 条文
問題
民法709条に基づく不法行為責任の成立要件として、条文上必要とされないものはどれか。
- ア.故意または過失
- イ.他人の権利または法律上保護される利益の侵害
- ウ.損害の発生
- エ.加害行為と損害との間の因果関係
- オ.加害者と被害者との間に契約関係が存在すること正解
解説
民法709条は「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」と定める。
ここから読み取れる成立要件は、①故意または過失、②権利または法律上保護される利益の侵害(違法性)、③損害の発生、④侵害行為と損害との間の因果関係である。加えて、加害者の責任能力(712条・713条)が要求される。
不法行為責任は契約関係の有無を問わず成立する法定債権関係であり、当事者間の契約関係は要件ではない(オが正解)。むしろ、契約関係がある場合には債務不履行責任(415条)との請求権競合が問題となる。
なお「法律上保護される利益」の文言は平成16年の現代語化で追加されたもので、それ以前から判例は権利概念を柔軟に解していた(大判大正14年11月28日・大学湯事件)。
根拠:民法709条、民法712条、民法713条、民法415条
判例:大判大正14年11月28日(大学湯事件)
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