司法試験・予備試験/民法
親族・相続の短答問題と解説
難易度 5/5
問題
相続に関する次の記述のうち、民法の規定に照らし正しいものはどれか。
- 1.配偶者居住権は、被相続人の配偶者が相続開始時に居住していた建物について、常に当然に成立する。
- 2.相続の放棄をした者の子は、代襲相続をすることができる。
- 3.遺留分侵害額請求権は、物権的効果を有し、目的物の所有権が当然に請求者に移転する。
- 4.自筆証書遺言は、その全文・日付・氏名を自書し押印しなければならず、財産目録についても例外なく自書を要する。
- 5.被相続人の子が相続の開始以前に死亡した場合、その者の子が代襲して相続人となる。正解
解説
選択肢5が正解。被相続人の子が相続開始以前に死亡したとき、または相続欠格・廃除によって相続権を失ったときは、その者の子が代襲相続します(民法887条2項)。
2が誤り:相続の放棄には代襲相続が生じません。放棄した者は初めから相続人でなかったものとみなされる(939条)ため、代襲の前提を欠くからです。
| 事由 | 代襲相続 |
|---|---|
| 死亡 | 生じる |
| 相続欠格 | 生じる |
| 廃除 | 生じる |
| 放棄 | 生じない |
3が誤り:改正民法により、遺留分の権利は遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求する債権とされました(1046条)。かつての遺留分減殺請求権が物権的効果を持っていたのを改め、目的物が共有状態になる不都合を避けたものです。
4が誤り:自筆証書遺言に相続財産の目録を添付する場合、その目録については自書を要しません(968条2項)。パソコンで作成したものや通帳の写しでもよく、その各頁に署名押印すれば足ります。高齢者の負担を軽くするための改正です。
1が誤り:配偶者居住権は当然には成立しません。遺産分割、遺贈、死因贈与、家庭裁判所の審判によって取得します(1028条)。なお、相続開始後の短期間に限って当然に認められるのは配偶者短期居住権であり、両者は別の制度です。
根拠:民法887条、民法939条、民法968条、民法1028条、民法1046条
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