行政法

国家賠償とは

こっかばいしょう

公務員の違法な職務行為や、公の営造物の設置管理の瑕疵によって生じた損害を、国または公共団体が賠償する制度です。前者は過失責任、後者は無過失責任とされています。

国家賠償法には性質の異なる2つの条文があります。

対象責任の性質
1条公権力の行使にあたる公務員の職務行為過失責任(故意・過失が必要)
2条公の営造物の設置・管理の瑕疵無過失責任

2条が無過失責任とされるのは、営造物が通常有すべき安全性を欠いていたこと自体を責任の根拠とするからです。管理者が注意を尽くしていたかどうかは問いません。道路の陥没や河川の氾濫などが典型的な事案です。

1条について押さえるべき点が3つあります。

  1. 公務員個人は被害者に対して直接責任を負いません。責任の主体は国または公共団体です。
  2. 国等が賠償した後、公務員に故意または重大な過失があった場合に限り求償できます(1条2項)。軽過失では求償できません。公務員が萎縮せずに職務を行えるようにするためです。
  3. 加害公務員が特定できなくても、一連の行為のいずれかに違法があったと言えれば責任を認めた判例があります。

立法行為や立法不作為も、例外的に違法と評価されることがあります。在外邦人選挙権訴訟では、選挙権行使の機会を長期間認めなかった立法不作為について賠償責任が認められました。

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